その日のセフィロスは超絶機嫌が悪かった。昨日までは超絶機嫌が良かったのに。どういうことですか、と。レノはもうてんてこまい。
何故ならレノさん本日彼の誘導係なのである。運悪し。
嫌だ嫌だ怖い怖い!
殺気だってゆらりと立ち竦むセフィロスを背に悠然と立つ我らが主任。切に訴えたのだけど軽くあしらわれてしまった。
そこへ登場したのが奴である。
「ガハハハハハ!アイツはな、今朝の卒業検定に落ちたらしい。受かっていれば来週には大型自動二輪を乗り放題だったのに、変な運転でもしたか妬みを買ったか、教員に落とされたのだろう。たまにはいいお灸になったんじゃないか。性格が曲がっているからな。これで傲慢な態度が少しでも直れば儲けものだぞ。まあまあ免許を取ったからといってアイツにゃあ一緒に走るような友人の一人もいなさそうだけどな、ガーッハッハッハッハッハ!!」
ハイデッカーさん、間合いに入ってますよ。
レノは眉間を押さえるツォンと共に心の中で呟いたという。