レノとルードの頭上に舞い降りたのは速やかに当人たちを引き離す旨の依頼でとどのつまりお前らはよ別れろやと言うてこいとのことだった。ザックスはセフィロス程ではないが腕も立つし最近クラス1stに昇進したばかりだった。そして何を隠そう彼に関する不祥事の揉み消しは少なくなかった。何せ手癖が悪い。だがそれがどうした。あれやこれやを揉みくしゃにして闇に葬りさるなんてこたあちょちょいのちょい。と。
そう思っていたのだけれど、極秘任務を口頭で説明されたレノとルードは頭を悩ませていた。
依頼人がツォンではなくセフィロスからだったからだ。ただ働きも嫌だが断る理由もなかった。
上記したとおり、ザックスは筋金入りの女好きであったから色恋沙汰が問題になるなんてことは過去に数え切れないほどだったのだが、それでも最近一人に絞ったと聞いて尻拭いをたまに任される調査課としてはほっとしていたものである。だがしかし、久々に彼が起こした云々は、今回ばかりは相手が悪かった。聞けば、入社したばかりの一般兵で14歳のお坊ちゃんに手を出したという。未成年の上に男に手を出すとは児童淫行罪及び青少年条例違反罪で、しかしまあ愛し合ってるなら問題ないんじゃないの、と。というのはレノの見解だが、それはそれとしてただでさえ強化されて恐れられている戦闘精鋭部隊の人間だ。人格を疑われるようなスキャンダルがあれば神羅にとって死活問題に違いない。
如何なる任務であろうとも必ず遂行する。それがタークスだぞ、と。
レノは煙草の火をもみ消し吸殻を捨てる。
それをルードが拾い上げてポケット灰皿に捨てる。
『というわけで、作戦名をラブハンターとする。』
「と、セフィロスが言っていたが。」
「たぶん狩ると刈るをかけたんだろうな、と。」
タークスの仕事は辛い事が多い。