これから先はわからない。上か下か。いやいや俺に決定権などないに等しい。どうしよう。どうしよう。その日はいつ来るのだろう。この次がいきなりだったらどうしよう。ていうかなんで無言でこんなことをするんだろう。何考えてんだろう。

もはやそれは習慣になっていた。
今こそ穏やかだがしかし、これから先はどうなんだろうかとザックスは考える。
精神的に追い詰められていることを除けば害はないわけだし、むしろ可愛げの欠片もなかった英雄が氷が解けたように柔らかい一面を見せるようになったことを考えれば、上々なのかもしれない。
でもそんな…と感じるむず痒さを堪えるようにザックスは唇を結んだ。

そんな悩める彼を余所に今日もセフィロスは彼の尻を撫でるのだった。

014 世界一、可哀相な俺