あ、まただ。やっぱり目が合った。
ザックスがソルジャー試験に受かり、ミッションへの参加を始めて半年が経つ。そしてクラス１ｓｔセフィロスとジェネシスといえば超有名なソルジャーだ。何が言いたいかというと、こういうことなのだ。
そう、ここ１ヶ月近く、ザックスはやたらとこの二人と遭遇する機会が増えているのだ。
階段や廊下ですれ違ってみたり、エレベーターに同乗してみたり、トレーニングルームで鉢合わせてみたり。それは実にさり気無くて、偶然のようではあったが、しかしそれにしては頻繁すぎた。
加えて今ので確信した。最初は気のせいだと思っていたが、明らかにセフィロスの方はザックスを見つめている。いつも隣に並んでいるジェネシスも、ほんの少し微笑んでザックスに視線を送っているように思われた。
なのに、ザックスがそちらを見るとふいと興味なさそうに視線を逸らすのだ、セフィロスは。ジェネシスを見れば、笑みを深くし首を少し傾けるだけだが。
稀に、ソルジャークラス１ｓｔ・アンジールが一緒にいることもあるけれど、やはり件の二人がザックスを見ているのだ。
ザックスは胸がどぎまぎして治まらない。

どうしてあなたは俺のことを見つめているの？
考えに考えすぎたザックスはとうとうセフィロスが夢にまで出てくるようになってしまった。彼は世界中の人間が知っている英雄だ。下っ端のソルジャーに普段から目をかけているとは想像しがたかった。

―――― time ... ****/**/** 21:43 From ... Zack Fair Subject ... カンセル〜〜。 ―本文― 急に悪い。実は、最近、社内ですげー目が合う人がいる。雲の上、みたいな人なんだけど。それが一度や二度じゃなくて、もうずっと。目が合うってことは、見られてるってこと、だよな？ どう思う？ ――――

―――― time ... ****/**/** 21:48 From ... Kunsel Subject ... どうしたんだ？ ―本文― 気にしなくていいぞ。珍しいじゃん、ザックスからこういうメールって。 そうだな、見られてなきゃ目は合わないと思うよ。でも目が合うって、どんな風に？ ――――

―――― time ... ****/**/** 21:57 From ... Zack Fair Subject ... 無題 ―本文― 二人いるんだけど、一人はニヤニヤしてこっち見てんだ。もう一人は、俺がそっちを見たら視線逸らしたりとか。 もう気になって眠れなくてさ。 ――――

―――― time ... ****/**/** 22:01 From ... Kunsel Subject ... それって ―本文― ザックスに気があるんじゃないのか？ ――――

―――― time ... ****/**/** 22:02 From ... Zack Fair Subject ... Re:それって。 ―本文― やっぱりそう思う？ ――――

―――― time ... ****/**/** 22:05 From ... Kunsel Subject ... うん。 ―本文― 返事早い（笑）普通そうじゃないか？目逸らすとかもうまさに！って思うんだけどな。 ずっとって言ってたけど、どのくらい前からなんだ？ ――――

―――― time ... ****/**/** 22:07 From ... Zack Fair Subject ... えーと。 ―本文― 一月ぐらい前からかな。 ――――

―――― time ... ****/**/** 22:10 From ... Kunsel Subject ... うわー ―本文― どんぴしゃだって。絶対近い内にメアド聞かれたりアプローチあるよ。なんか俺までテンション上がって来た！ ――――

―――― time ... ****/**/** 22:25 From ... Zack Fair Subject ... 無題 ―本文― それは絶対ないって。相手めちゃくちゃ年上だぜ？俺なんて相手にしてもらえないよ。 ――――

―――― time ... ****/**/** 22:30 From ... Kunsel Subject ... Re: ―本文― もしかしてザックスもその人のこと好き？ ――――

「ザックス！！頑張れ、俺は応援してる！」
「返事もしてねえのに電話かけてくんなよ！！！」



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