セフィロスが酔っているのだと気付くのに少し時間がかかった。何せ顔色も心拍数も口調も何一つ変わらないのだ。俺の友だちも居候している彼の自宅にまで上がりこまなければ、きっと一生彼の酔っ払った姿を見ることはなかっただろうと思う。
「クラウドは?」
「クラウド?仕事だろ?」
「…ああ、そうだ、そうだったな…」
「一般兵の扱い荒いからなあ、大変だろうな」
「……そうだな…」
「怪我しないで帰ってくるといいよなあ」
「……ザックス」
「ん?」
「クラウドは?」
「は?」
「クラウドは?」
「いや、だから仕事だって。遠征。」
「そうか…そうか……」
「心配しなくても今回の仕事はそう大変そうじゃなかったぜ?」
「………」
「それに、1stも一人ついてってるらしいし、大丈夫だよ」
「……ザックス」
「なに?」
「クラウドは?」
「はい?」
「…クラウドは?」
「…いや……」
「クラウドは?…ん?クラウド?」
「……………」
何度も何度も友人の所在を尋ね続けるセフィロスをみて、この人はクラウドのことがもんのすごく好きなんだなぁと、ザックスはしみじみ思った。