間一髪。視界の端で蠢く影に気付いたときには剣を引き抜いていた。銃声と、鉄と鉄がぶつかり合う金属音がほぼ同時に響く。俺が庇わなくたってコイツは勝手に避けただろうけど、とセフィロスへ視線を流すと、本人は剣の柄に手を添えることすら忘れて、呆然と突っ立ってザックスを見ていた。
ぱくちりと瞬いて首を傾ぐと相手が目を逸らすので、見とれちゃった?とザックスは白い歯を見せておどけてみたのだけれども、冗談だったのに彼が頷いたものだから何でだかこっちが照れてしまって二人とももじもじしてなんだこれ。