急に鼻血が出た。別にほじり癖もないしぶつけたりしたこと以外では鼻血なんて出たことがなかった。
ぽたっ、ぽたっと、落ちてくる鼻血を呆然と見つめながらクラウドは考える。

もしもオレがセフィロスと付き合えたなら。
もしもオレがセフィロスと恋人同士なら。

彼って見た目は厳ついし怖いけどきっと心はやさしい人だと思う。うん、俺にはわかるんだ。あの人は本当はもっとずっと素敵な人だって!だからきっとオレの彼氏になってくれたら、すごく気遣ってくれると思う。ものすっごい細かなところまで気遣ってくれると思う。だってセフィロスだもん。そんなセフィロスがオレが鼻血を出してるところを見ちゃったらどうかな。きっとものすっごく心配してくれると思うんだ。なあ、そう思うだろ?ザックス。何でそんな冷ややかな目で見てるんだよ。あ。そうそう、それで適切な処置をしてくれるんだ。勢い余ってブリザガを鼻柱に放っちゃったりしてさ、ふふふ、セフィロスってばおっちょこちょいなんだ、ああ見えて。それでさ、それでもオレの鼻血が止まらなかったとするだろ?そうしたらあの人はどうすると思う?…ティッシュを鼻に詰めさせる?ぶぶー!もうザックスは夢がなさすぎるよ。きっとね〜え、セフィロスはオレのことをもっと心配するよ。それで何かの病気かも!とか思っちゃうんだ。ほんと、彼って心配性だからさ。それでオレがね、そんなセフィロスをちょっとからかっちゃう。実は不治の病だ、とか言ってみるんだ。そっれがここからが最高なんだけど、セフィロスってば信じちゃうんだよ。超かわいい!!それでね、二人の部屋…あ、これはセフィロスが借りてくれたワンルームマンションで家賃は200万ギル。ペットもOKだから黒いラブラドールレトリーバーの子犬も一緒だよ。あれ?お前、どうしてそんなに嫌そうな顔してるんだよ。いけない、話がそれちゃった。それでね、広いベッドルームの中央に何でかシングルベッド。「広いベッドだとクラウドがいないときに少し寂しい」とか言っちゃってさーーーー!!そういうわけわかんないところもかわいすぎるよセフィロス!!そんでそんで、その狭いシングルベッドで横たわるオレをセフィロスがぎゅって抱きしめるんだ。それで言うの、神羅を抜け出そう。一緒にここから、逃げようって。オレの命がなくなるまで、「ずっと傍にいるから…」って。それでここからが重要なんだけど、あれ?ザックス聞いてる?