窓から零れた光が反射して眼鏡が光ったと思ったら、セフィロスの拳が右頬に減り込んでいた。
その日セフィロスは黒縁の眼鏡をかけていた。
もちろん視力はこれでもかというほど良いからかけていたのは伊達めがねということになる。
ところでザックスはこの前日に「オッサンてさ、絶対メガネ似合うと思うな〜。」と、送ったメールに追伸として記していたのだがその言葉は他意があったわけでもなんでもなく思い付きだった。いつものことである。
しかしザックスが愚痴や色話を言うことはあってもセフィロス自身についてなにか言ってくるなんてことは今までなかったものから、無愛想な彼もついつい真に受けてしまったのだった。
ではそんな執務室にいた眼鏡姿の彼を見たザックスはというと、まさか自分のメールが影響を与えたなんて思わなかったし、そもそもそんなことすら忘れていたので、何か弄ってほしそうに見えなくもない彼をじーーっとじーーーっと眺めた末に言ってしまったのだ。
「ああ!宝条に似てんだ。」
ちなみに全治三日で済んだそうである。